皆さんは沖縄闘牛というものをご存じでしょうか？
この記事では沖縄闘牛に関する内容を紹介していきます
- 沖縄の伝統文化「沖縄闘牛」の歴史
このトピックでは沖縄闘牛の歴史について解説していきます。
戦前頃まで現在の糸満市、具志川市、勝連市、与那城町などの地域で闘牛が盛んにおこなわれていましたが、戦争をきっかけ1度闘牛文化は途絶えています。
しかし、戦後の復興期に特に盛んになり、闘牛文化は興業として復活し1970年代には沖縄県全体でブームを迎えました。
この時期には今でも開催されている大規模な大会が創設され、多くの人々が闘牛を楽しむ文化が形成されました。
現在では地元のイベントや祭りで闘牛が開催され観光客へのアピールとしても重要な文化資源として考えられています。
また、近年では若い世代が資金を出し合って闘牛用の牛を育てるケースも増えており、地域全体で闘牛を文化として発展させようという流れが見られます。
年に数回ほどの頻度で以下のような闘牛大会が沖縄県内で行われています。
■全島闘牛大会
沖縄県で最も盛り上がる闘牛大会と知られており、春夏秋にうるま市の石川多目的ドームで開催されています。
開催時には多くの闘牛ファンが大会に集まります。
沖縄の闘牛の歴史は、古くから地域の伝統文化や娯楽として根付いてきました。沖縄の「牛オーラセー」とも呼ばれており、もともと農耕用の牛同士を戦わせる競技として行われてきました。
■うるままつり
毎年10月にうるま市石川多目的ドームで開催されており、祭りの演目の1つとして闘牛大会が開催されています。
無料で観戦できる為、闘牛初心者の方や興味がある方も参加しやすくなっています。
■今帰仁まつり
毎年2日間にわたって開催されており、今帰仁村営闘牛場で闘牛大会が開催されています。
こちらも入場は無料となっており、開催時には多くの闘牛ファンが会場に駆け付けます。
次のトピックでは、沖縄闘牛がどのようなものなのか解説していきます。
- 沖縄闘牛とは？
このトピックでは沖縄闘牛がどのようなものなのか解説していきます。
闘牛と聞くと一般的にはスペインやラテンアメリカ地域で行われている闘牛士と牛が戦う姿を想像されるかと思いますが、沖縄の闘牛は全く異なります。
牛同士の力比べが勝負の目的になっており、角を突き合わせて相撲のようにぶつかり合います。
制限時間は特にありませんが、勝負の最中に背を向けた牛が負けという基本ルールになっています。
対戦中は牛のそばに闘牛士（勢子）が付き、牛を鼓舞し勝負を盛り上げます。
早い場合は数秒で決着がつきますが、長い場合は30分を超える試合もありその場合は観客の同意を得て引き分けとして勝負を決する事もあります。
次のトピックでは、沖縄闘牛と違法賭博について解説していきます。
- 沖縄の闘牛文化と賭博の関係とは？合法と違法の境界線
このトピックでは沖縄闘牛と賭博の関係について解説していきます。
このような勝負ごとに関しては勝敗の行方に金銭を賭けているのではないかという噂が立ちがちですが、結論から言うと沖縄闘牛において違法賭博に関する事実は確認されていません。
韓国など他国で闘牛を公営ギャンブルとして運営している場合もある為、沖縄闘牛もそのようにできないかみたいな意見はちらほら散見されます。
沖縄県内では、現在に至るまで様々な違法賭博が行われ警察に摘発されており、年々手口が巧妙になり様々な手法で行われています。
近年ではオンラインカジノや闇カジノの営業が水面下で行われており、このような状況と闘牛の競技性が紐づけられ違法賭博が行われているのではないかという推測から賭博の噂が立っていると考えられます。
次のトピックでは、沖縄闘牛の楽しみ方について解説していきます。
- 沖縄闘牛の楽しみ方とおすすめスポット
このトピックでは沖縄闘牛の魅力や楽しみ方とそのおすすめスポットについて解説していきます
他のトピックで紹介していますが、沖縄闘牛は一般的に有名な海外で行われている闘牛とは勝負の方式が異なっています。
沖縄闘牛は本来牡牛が持っている戦いで順位を決めるという性質をもとに人為的に戦わせています。
観戦する際の魅力としては、3つあります
1つ目は牛たちの熱いぶつかり合いです。
互いの角同士を突き合わせ力の限り押し合う姿は近くで見ると迫力満点です。
2つ目はアナウンサーによる実況です。
初めての方でも闘牛が楽しめるよう、丁寧な解説を交えてくれたり勝負を盛り上げてくれる為、闘牛をより分かりやすく楽しむ事ができます。
3つ目は勢子によるパフォーマンスです。
毎試合牛1頭に1人勢子がついており、掛け声や動きを用いて勝負を盛り上げますがこのパフォーマンスによって高い臨場感や興奮を感じる事ができます。
4つ目は試合後のコンテンツになります。
開催地によって異なりますが、闘牛の試合以外にも楽しめるコンテンツが用意されています。
試合後に出場した牛たちと触れ合うことができたり、お土産や飲食物の販売も行われており家族で行っても楽しむ事ができるようなコンテンツが用意されています。
次のトピックでは沖縄闘牛の現状について解説していきます。
- 沖縄闘牛の現状と課題
このトピックでは沖縄闘牛が現在抱えている課題について解説していきます。
沖縄闘牛は地域の文化や伝統を反映した競技として現在も人気を保っていますが、一方で多くの課題を抱えています。
課題としては4つ挙げられます。
1つ目は収益性の確保になります。
現在行われている、闘牛大会のほとんどが入場無料もしくは少額のお金しか貰っておらず収益としてはかなり低いです。
また開催に必要になる資金はスポンサーや地域の行政から支援を頂いていますが、現状十分とは言えない状態です。
お土産販売などで多少利益を得てはいますが、闘牛大会をより充実させ存続していくには他にも収益を得る事ができるコンテンツを作る必要があると考えます。
2つ目は動物愛護に関する批判です。
闘牛は牛が本来もつ性質を元に戦わせていますが、当然角で突きあったり激しいぶつかり合いをする為、牛がけがを負ってしまう場合もあります。
その為、動物愛護の観点から否定的な意見が寄せられ闘牛の禁止を訴える声も上がっています。
しかし闘牛は沖縄の持つ大事な伝統文化である為、貴重な文化財としてこれからも存続している必要があります。
その為、闘牛の禁止をするのではなく闘牛に動物愛護の観点からみて問題がないという意見を発信し続ける事が重要になると考えます。
3つ目は観戦施設の充実になります。
年に何回かのペースで闘牛大会が行われており多くのファンがついていますが、開催回数としては決して多くはありません。
収益性の低さの問題もあり、開催者側は決して豊富な利益を得ているわけではない為、開催場所を増やしたり沖縄県内だけでなく県外の人々へ沖縄闘牛をアピールしファンを獲得する必要があります。
4つ目は若年層の関心低下です。
闘牛文化を続け得ていくためには当然伝統を担ってく跡継ぎが不可欠になってきます。
近年日本は全国的に高齢化が進んでおり、若年層に対して沖縄闘牛の魅力を知ってもらい、将来的に伝統を継承してくれる人々を見つける必要があります。
その他にも近年新型コロナウィルスのパンデミックにより世界的に様々な業界が大打撃を受けましたが、沖縄闘牛もこの影響を受けて観客動員数が現状してしまいました。
しかし、悪い事ばかりではなく新型コロナウィルスが収束した最近では沖縄闘牛が地域コミュニティや観光客への関心を集める事ができる観光資源として再評価されるようになりました。
また、近年ではIT分野などでテクノロジーも飛躍的に上昇している為、闘牛大会を動画や生放送などで配信し会場に来れない人々へ沖縄闘牛の魅力を伝える事も可能であると考えます。
沖縄闘牛を知ってもらう事で、ファンを作り実際に闘牛大会に足を運んでもらう事で観客動員数も上昇し、開催者側の利益を増やす事で更なる沖縄闘牛の発展へつながると考えます。
まとめ
いかがでしたでしょうか？
今回は沖縄闘牛について紹介させて頂きました。
闘牛文化は古くから沖縄に根付いている地域の伝統文化であり、現在でも伝統を担っている人々と熱狂的なファンによって沖縄の地域文化財として存続しています。
記事内でも触れましたが、収益性や知名度の低さ・後継者問題など多くの課題を抱えています。
収益を上げるためには観光産業に依存する必要があるかと思いますが、あまり観光目的に寄せすぎると闘牛が持つ本来の文化的な価値が損なわれたり、地域住民からの賛同が得られなくなり大会の開催自体が危ぶまれてしまう可能性もある為、慎重な対応が必要になると考えます。
沖縄闘牛は牛同士のリアルな戦う姿を見る事ができ会場全体で一体となって楽しむ事ができる素晴らしい魅力を持っています。
まだまだ全国的な知名度は低いですが、この魅力を日本国内ゆくゆくは世界に発信していく事で沖縄闘牛のファンが増え、沖縄闘牛がより発展していくと考えます。
この記事を見て沖縄闘牛に興味を持った方はぜひ一度沖縄を訪れて、現地で沖縄闘牛を観戦してみて下さい。
この記事が沖縄闘牛に関する人々の助けになれば幸いです。
参考文献
https://ryukyushimpo.jp/news/entry-463147.html
https://ryukyushimpo.jp/news/entry-1421304.html
https://www.hmt.u-toyama.ac.jp/ir/sotsuken/2005/200602seika/china-200602ra.pdf
