コロナ禍の2020年もいじめが問題に。最も多かった都道府県は?
文部科学省は令和2年10月22日に「令和元年度 児童生徒の問題行動・不登校等生活指導上の諸課題に関する調査結果」を公表しました。1000人当たりのいじめの認知件数で多い順に並べると、以下のようになりました。
順位 | 都道府県名 | 1000人当たりの認知件数(件) | いじめの認知件数(件) |
1 | 宮崎県 | 122.4 | 15,171 |
2 | 山形県 | 115.7 | 12,943 |
3 | 大分県 | 93.8 | 11,407 |
4 | 新潟県 | 90.2 | 20,390 |
5 | 山梨県 | 88.3 | 7,967 |
6 | 茨城県 | 88.1 | 28,191 |
7 | 京都府 | 83.9 | 22,429 |
8 | 千葉県 | 83.4 | 52,850 |
9 | 宮城県 | 70.1 | 16,844 |
10 | 沖縄県 | 69.5 | 14,895 |
最も多いのは、宮崎県です。そして、山形県、大分県、新潟県、山梨県と続いています。また、沖縄県がワースト10の中に入っていますね。
沖縄県は小学校・高校の不登校では全国ワーストを記録
同調査結果によると、1000人当たりの不登校児童生徒数で校種ごと多い順に並べると、以下のようになりました。
順位 | 小学校 | 中学校 | 高等学校 |
1 | 島根県(14.3人) | 宮城県(51.0人) | 沖縄県(27.3人) |
2 | 沖縄県(12.4人) | 高知県(45.3人) | 大阪府(26.9人) |
3 | 長野県(11.1人) | 北海道(45.0人) | 宮城県(25.9人) |
4 | 静岡県(10.5人) | 静岡県(45.0人) | 滋賀県(22.8人) |
5 | 高知県(10.3人) | 福岡県(44.7人) | 鹿児島県(22.2人) |
6 | 宮城県(10.2人) | 山梨県(44.7人) | 奈良県(21.7人) |
7 | 神奈川県(10.0人) | 神奈川県(44.6人) | 岡山県(21.5人) |
8 | 福岡県(9.6人) | 沖縄県(44.3人) | 大分県(20.4人) |
9 | 奈良県(9.5人) | 兵庫県(44.0人) | 高知県(19.6人) |
10 | 大分県(9.4人) | 大分県(43.5人) | 福岡県(19.5人) |
いじめだけでなく、沖縄県は不登校児童生徒数も多いという結果が出ています。特に高等学校は1位、小学校は2位、とワースト上位に位置しており、深刻な状況であることが分かります。
いじめや不登校が問題になる中、沖縄県美里中学校のいじめ動画が大問題に
2017年1月に沖縄市立美里中学校で男子生徒が殴る蹴るなどをしている暴行の動画がネットに流出し、炎上しました。
動画は約2分間にも及びます。被害者は一切反撃せず、一人の生徒が何度も繰り返し暴力をふるっている映像は衝撃的なものでした。撮影している生徒や周りの生徒が笑う声が入っている状況から、集団いじめであると分かります。
沖縄市教育委員会によると、動画は2017年1月に生徒2人が撮影し、アプリで友人に送っていました。そして受け取った生徒がネット上にアップロードしたことで、広がったものとみられています。学校は、動画の内容を把握し、被害生徒を含めて合計8人がその場にいたことを確認しました。そして、加害者生徒7人に即日指導したと発表されています。
なお、現在は削除されているため、閲覧はできません。
いじめや不登校問題を解決するには何が必要?
沖縄県では、いじめや不登校問題が深刻です。その理由の一つとして、沖縄県へ移住してきた人への差別があるといわれています。沖縄県民は独特の苗字が多く、元々沖縄県に住んでいる人か移住者かということが分かりやすいです。何かトラブルが起きた時に、移住者であることを理由に煙たがられてしまうといった事例もあるとのこと。
このような事態を避けるためには、移住者が比較的多いエリアに暮らすとよいです。例えば、那覇市、浦添市などの都市部。仮に何か学校でトラブルがあり、どうしようもなくなったときに、近くの学校に転校することも視野に入れられます。反対に離島や小さな地域だと、都市部よりに比べて元々住んでいる人同士が仲良い場合が多く、コミュニティに入るのが難しくなります。特に子どもがいる家庭は、これらのことにも気を付けて住むエリアを検討したいですね。
まとめ
全国的にいじめや不登校は増加傾向にありますが、沖縄県はその中でもワースト10に入るような地域です。その理由として、沖縄県のこれまでの文化などが関係していると考えられています。移住を考えている人は、沖縄県の県民性や事情を把握し、子どもにとっても過ごしやすい地域を選べるようリサーチすることを勧めます。