2022年現在も全国屈指の観光県として有名な沖縄県。日本で唯一の陸続きでない県のため、独自の文化や風習などがあります。また、暖かい気候やのどかな風景など異国にいるような感覚を感じる方が多く、毎年たくさんの観光客の方がその雰囲気を楽しもうと来沖します。/p>
しかし、筆者自身で沖縄県の観光について調べていくうちに県の経済やその他の面まで見えるようになって来ました。今回は、そんな沖縄県の観光業について、データを用いてお話していこうと思います。
沖縄の観光客数は?他都道府県と比べて多いの?
冒頭で、「たくさんの観光客の方が来沖してくださる」とお話しましたが、実際にどのくらいの観光客の方がいらっしゃっているのでしょうか?
ここ数年はコロナウイルスの影響により観光客数が減っているため、少し前のデータを用いて紹介すると、2019年(令和元年)は約946万9200人の方が来沖して下さりました。これは、過去最高の数字であり、観光地としてのイメージがさらに強くなったと思います。さらに過去を遡ってみてみると、1972年(昭和47年)以降右肩上がりで増えています。
全国的に見ても、沖縄県は「旅行に行きたい県」として、常に上位にいます。宿泊施設に滞在した全宿泊者数を足し合わせた数を表す、「延べ宿泊者数」のデータを見ると、沖縄県は全国4位を記録しており、観光地としての高さを照明する結果となりました。その理由として、「自然景観をみること」、「スポーツやアウトドア活動を楽しむこと」という理由が多いというデータが発表されています。
参照元
沖縄県 『産業の内訳』
ゼロからのスポーツビジネス入門 『スポーツの経済効果がすごい理由ワールドカップからマラソン大会まで』
新型コロナウイルスの影響は?
前節で、観光業が沖縄県に与える影響についてお話しました。しかし、2020年頭から世界を震撼させている新型コロナウイルスの影響により、沖縄県の経済に大きな影響が生じています。2020年に来沖して下さった観光客は258万3600人でした。2019年と比べると72.7%の減少率となっており、かなりの影響をがあった事がわかります。試算値ではありますが、沖縄県が発表した内容によると2020年度の観光収入は2485億円となっており、2019年から4562億円のマイナスとなっています。観光業などの第3次産業が県の収益の約8割以上であるため、沖縄県の経済にかなりのダメージがあった事がわかります。
また、観光客の数が減った事により、2022年現在、沖縄県の第3次産業(飲食店や宿泊業、サービス業など)では、休廃業の件数が461件と増加傾向にあるとのデータも出ています。実際に県内の雇用動向のデータを見ると、2022年現在、失業者数は2万8千人と17ヵ月連続で増加傾向にあり、完全失業率も全国平均2.8%に対して沖縄県では3.7%と大きく上回っています。
株式会社帝国データバンク 「沖縄県企業の休廃業・解散、461件2年ぶりに増加傾向で推移」
観光業から見る沖縄県の課題は?
この節では観光業から沖縄の課題について、筆者の考えをお話していこうと思います。
前節で、沖縄の産業の8割が第3次産業であるというお話をさせて頂きましたが、そもそもなぜここまで他の産業が発達しないのでしょうか?例を挙げると、「製造業」や「建築業」など大量に資材が必要になる第2次産業では、陸続きでない沖縄県だと運搬にお金がかかってしまい、大きな収益に繋がらないため、発達していないと考えられています。
また、農業などの第1次産業に関しても同じで、他県に無い南国特有の作物を栽培しても、送料にお金がかかってしまいます。
また、季節的な作物が多いため、一定期間しか収穫する事が出来ない他、お米のように、保存ができたり、他の商品(お酒)として売り出す事ができない事も大きな収益に繋がらない理由であると筆者は考えます。そうなると、沖縄県独自の風習や文化,自然などをアピールできる観光業の方が県の経済の発達として有効である事が想像できますね。
しかし、その観光業での課題点もあります。それは、宿泊施設や飲食店の利用などに関しては県の収益として考えられますが、来沖する際にほぼ絶対に利用する飛行機などの運賃に関しては、沖縄県の収益とは考えづらいため、実際に個人個人が消費している額はさらに小さくなると考えられます。
観光業での収益には観光客の数や滞在する際に利用する店舗やサービスなど様々な業界に波及する事が考えられるため、沖縄県に存在するそれぞれの店舗や施設の魅力、ストーリー作りが非常に重要になると考えられます。また、ここ最近はインターネットを利用した情報発信が盛んになっている点からも、それぞれの店舗の魅力を伝えていく必要があると筆者は考えます。
まとめ
いかがだったでしょうか?今回は観光業を中心に沖縄県の産業に関してお話をさせて頂きました。2022年現在、物理的な問題やコロナウイルスの影響などにより、かなり厳しい状況が続いています。
ですが、様々な方法で観光客や県内外の皆様に情報を届ける事で、沖縄県の情報を知ることができると同時に県、県民の経済を盛り上げる事ができ、沖縄県自体が活性化していくと筆者は信じています。沖縄県とはどういった場所なのか?観光ついでに感じて頂けると幸いです!
この記事の執筆者
沖縄県にある高校を卒業し九州地方の医療の大学に進学後、4年初期で途中退学。
その後は関西で自動車製造に従事後、現在は沖縄県でIT企業に勤務しながら個人で「マンゴー生産・販売」や「金融事業」に携わる。
さらに、「アプリ・HPの作成」、「webマーケ」について実践を重ねながら勉強中。
自身の異なる業種の経験から、沖縄県が抱える問題・盛んな業界の両方について、様々な目線で分析し発信しています。