仲間由紀恵、満島ひかり、新垣結衣……沖縄県と聞いて、「スタイル抜群な芸能人」を思い浮かべる人もいるかもしれません。しかし、実は沖縄県は日本で最も「肥満」の割合が高い県だというデータがあります。
そこで今回は、沖縄県民の「肥満率」の高さとその理由を説明します。
どれくらい多いの?BMIにみる沖縄県民の「肥満率」
肥満度の判定には「BMI」と呼ばれる指標を用います。「BMI」は身長と体重から肥満度を算出した指標で、25以上が「肥満」と判断されます。
都道府県別に「BMIの平均値」を見てみると、沖縄県では男女ともに全国平均(男性:23.8、女性:22.6)を上回っていて、男性では24.1、女性では23.1と高い数値を記録しており、特に50代男性の肥満率は高く、2人に1人がBMI25以上で「肥満」とされています。
肥満体型によって起こるリスク
前節で「BMI」という指標から肥満の基準についてお話しました。
しかし、「肥満と言っても、具体的にどのようなリスクがあるかなかなか想像できない」と仰られる方が多数いらっしゃいました。
そこで、肥満になった際のリスクについてももう少しお話させて頂きます。
(1)糖尿病
糖尿病は、血液中に流れる糖(ブドウ糖)が以上に増えてしまう病気です。糖が血液中に長い間放置されると血管が傷いたりするため、心臓病になるリスクが高まります。
そうなってしまうと、週三回ほど透析治療を受けに病院に通ったり、最悪の場合、足の切断をしてしまうほどの恐ろしい病気です。
(2)高血圧
次に高血圧です。高血圧は血中内の糖が増えていく事で血中がドロドロになってしまい、血管内の口径が狭くなってしまう事で起こる病気になります。
口径が狭くなることによって、血管内の圧が上がり、高血圧になります。先ほど紹介した糖尿病と同様に心臓病になるリスクが高まり、さらには脳梗塞など様々な大きな病気が起こる可能性があります
肥満が多い年代
現在、全国の20歳以上の男性の約33%、20歳以上の女性の約22%が肥満体型である事が厚生労働省が発表している「国民健康・栄養調査報告」によって発表されています。
また、年代別に表示した場合、男女で40~60代の方に肥満が多い事がわかっており、これは沖縄県でも例外ではありません。
現在、沖縄県の男性の2人に1人は肥満体型というデータも出ています。また、沖縄県の年代別の肥満者の割合に関しても20代~60代全てで全国平均を上回っている状況であり、県内問題としてかなり、深刻に考えられています。
以前までは長寿県として有名だった沖縄県がなぜこれほどまでに肥満率の高い県になってしまったのでしょうか?次の章でお話していこうと思います。
■参照元
公益財団法人生命保険文化センター「肥満の人の割合はどれくらい」
どうして?「肥満率」が高いワケ
(1)食生活の変化
かつて沖縄では豚肉を中心とした食習慣がありました。調理の際には脂身を取り除き、豆腐や昆布をなどと組み合わせることで、タンパク質やカルシウムを摂取。温暖な気候により野菜や果物も大量に生産していたため、バランスの良い食事をとることができていたのです。
しかし、ファストフードの普及や食の欧米化により高カロリーな食事が増加。さらには若年層を中心とした「琉球料理離れ」や「沖縄の伝統的な食文化を支える人材の高齢化」が進むことで、栄養素の偏った食生活が常習化され、「肥満」の割合が増えていると考えられます。
(2)アルコール摂取量の多さ
沖縄県民は、お酒好きな人が多いです。特に泡盛やハブ酒など度数の高いお酒を日常的に飲むため、”お酒に強い”というイメージを持っている人も少なくないかと思います。このアルコールと「肥満」には深い関係性があります。
例えば、ビールの中ジョッキ1杯(約500ml)あたりのカロリーは、約200kcalとされています。同量の泡盛で換算すると、カロリーは4倍の約800kcalになります。また沖縄ではあまり終電を気にすることがないため、飲み会が長時間に渡りやすく、アルコール摂取量も必然的に増えてしまいます。
車社会かつ外が暑いので屋外に出ない!
若者を中心に”車離れ”が進む一方で、沖縄の人口1人あたりの自動車保有台数は年々増加傾向※にあります。沖縄での移動手段は車かバイクが大半で、特に車がないと生活が不便だと言われています。那覇市周辺にはモノレールも走っていますが、利用できる範囲が狭いため、車が必要になってしまいます。
また沖縄は1年中気候が暖かく、天候も変わりやすいため、ちょっとした買い物にも車で行く人が多いです。そのため、運動による消費カロリーが少なくなり、「肥満」になりやすいと考えられます。
■参照元
沖縄県:沖縄県道路整備プログラム「第2章 沖縄県の道路を取り巻く現状と課題」
肥満を改善するために
前節までで、沖縄県の肥満の現状についてご説明させて頂きました。
食生活や生活の変化など様々な要因が重なり、このような状況になっていますが、ここからはどのようにすれば肥満の改善になるのでしょうか??
この節でお話していきます。
(1)食習慣の改善
肥満になってしまう一番の原因が食事です。
肥満体型の方には、1日1食や1日2食などの「まとめ食い」が習慣化になってしまっている方が多い傾向にあります。
1日1.2食と聞くとは食事回数的には少なく感じますが、実際には1回の量で一気にエネルギーを摂取してしまうため、血糖値自体も上がりますし、身体に大きな負担をかけてしまいます。
その為、1日3回規則正しく、「まとめ食い」は行わないように食事を摂取する必要があります。
(2)食事内容の改善
肥満体型の方は、脂ものなど脂質を多く含む食べ物を好む傾向があります。脂質が多い食べ物を摂取しすぎると体内の血液がドロドロになってしまい、血液の流れが悪くなってしまうため、心臓病や脳梗塞など血管が詰まって起こる病気になりやすくなってしまいます。
そのような事が起こらないように、毎日「主食」,「主菜」、「副菜」をしっかりそろえて食事をしていく必要があります。
主食
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主菜
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副菜
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・米 ・パン ・麺類 |
・魚 ・肉 ・大豆製品 ・卵 |
・野菜類 ・海藻類 ・きのこ |
人間が活動する上で必要不可欠な、エネルギーを生成する食べ物です | たんぱく質を多く含んでおり、筋肉を作る元になる事や血管を丈夫にする効果がある食べ物です。 | ビタミン、ミネラルを多く含み、糖質、脂質、タンパク質の分解や合成を助けます。そのため、体調管理を行うためには必要不可欠な要素です |
(3)適度な運動
肥満解消のためのダイエットには、適度な運動が必要です。
肥満を解消するためには、十分に酸素を取り込む事が重要とされているため、ランニングや水泳などの有酸素運動が必要になります。
しかし、残念ながら「有酸素運動はキツい!」と仰られる方が大勢いるのが現状です。
そこで、筆者が実際に行っている方法についてご紹介したいと思います。
3-1.ウォーキング
まずはウォーキングです。ウォーキング自体は有酸素運動ではありますが、息切れや筋肉痛などキツいと感じる要素が少ないため、かなりおススメです。筆者は朝の30分を利用して運動を行うのですが、運動後はかなり目が覚める事や運動する事によってお腹が減るため、朝ごはんの摂取ができ、食習慣の改善も行う事ができます。
無理なく継続して行えて尚且つ食生活の改善や目覚めも良くなる事はプライベートだけでなく、日中の仕事にも非常にいい影響を与える事が期待できます。
3-2.筋トレ
続いては筋力トレです。筋トレは少し「キツい」イメージがありますが、筋トレを行う事によって、身体の代謝が良くなり、綺麗な血液になる事が見込まれます。あのお笑い芸人の大御所、ダウンタウン松本さんは子供を守るため」という理由で筋トレを始めています!
さらには、筋トレを始める事によってスタイルをよく見せる事もできるため、自分自身に自信をもつことができ、自己肯定感もアップする事ができます!
■参照元
「肥満と判定されたときの食事」
まとめ
いかがでしたか?沖縄県民の「肥満率」の高さとその理由に驚かされた人もいるのではないでしょうか。現在では県を中心に”健康な沖縄”を取り戻そうとさまざまな取り組みが行われ、少しずつ「肥満率」にも改善がみられているようです。
「最近お酒を飲みすぎているかなあ」「どこに行くときも車を利用しているかもしれない」と思った方は、これを機に生活習慣を見直してみるのも良いかもしれませんね。
この記事の執筆者
沖縄県にある高校を卒業後、都内の大学に進学、ベンチャー企業やコンサルティングファームを経て、現在は沖縄を拠点に活動するフリーランスWebマーケター。琉球大学大学院で沖縄経済についても研究中。マーケの仕事と沖縄経済研究を専門にしています。 webマーケは全般対応可能でpythonや統計(計量経済学)を組み合わせた自動化や定量分析・運用が差別化ポイント。研究テーマは「沖縄経済」「生産性」「計量経済学」のあたり。沖縄の社会問題に関心があり、歴史や制度的な問題が複雑で実態が掴みづらい沖縄県が抱える問題をなるべく数字を出して発信しています。