全国最低の交通渋滞?!沖縄の交通状況について詳しく解説します!

全国最低の交通渋滞?!沖縄の交通状況について詳しく解説します!

沖縄 交通渋滞

東京以上の交通渋滞!沖縄はなぜいつも混んでいる?

 東京をはじめとする関東圏の渋滞はよくニュース等で目にする機会がありますが、沖縄県はそんな関東圏よりもひどい渋滞が起きています。沖縄総合事務局が作成した資料によると、平成24年度の平日の混雑時の移動速度は沖縄県那覇市が16km/hで、東京23区が19.3km/hでした。東京よりも進むのが遅いと分かります。また、平成26年度に沖縄県那覇市で再度調査したところ、15.9km/hだったので、渋滞は改善するどころかひどくなっている現状が伺えます。

 

 これだけの渋滞を引き起こす背景には、観光客の増加や自家用車の保有率が高いことなどが関係しています。

特に混むのは沖縄主要エリアの3道路「国道58号線」「国道330号線」「パイプライン通り」

沖縄には特に渋滞がひどいと有名な道路が3つあります。

国道58号線

1つ目は、国道58号線です。国道58号線は、沖縄県の主要となる国道であり、那覇市から沖縄本島北部の方までずっと続いています。朝と夕方には、バス通行の妨げとならないよう、バスレーン規制が行われています。1つの車線がバスで専用となるため、車が走れる車線が減ります。その結果、渋滞につながっているのです。

国道330号線

2つ目は、国道330号線です。国道330号線は、沖縄市から那覇市に至る国道です。沖縄県内の国道では、唯一の4車線道路ですが、この道路も渋滞がひどいことで有名です。国道58号線同様、バスレーン規制があることや右折専用レーンがない交差点があることも原因になっています。

パイプライン通り

3つ目は、パイプライン通りです。パイプライン通りは、国道58号線と国道330号線の間を通っている道路です。この道路は、バスレーン規制がありません。しかし、片道1車線のため、追い越しができないデメリットがあります。そして、この道路も渋滞がひどくなってしまうのです。

レンタカーや自家用車、車の数が増えまくっている!

沖縄県の渋滞がひどい原因として、観光客の増加や自家用車の保有率の高さが関係しています。
観光客は年々増加の一途をたどり、沖縄県が公表している「沖縄観光の推移」によると、コロナ禍前の平成30年度には、1千万人以上の観光客が訪れています。旅行形態の中で最も多いのが、個人旅行で57.9%、次に多いのが、フリープラン型パック旅行で27.3%でした。この2つを合わせると、約85%になります。フリープラン型パック旅行では、レンタカー付のプランが多く見られることや個人旅行でレンタカーを借りて利用している人が多いことが、レンタカー使用率の増加につながっているのでしょう。

また沖縄総合事務局によると、平成28年度は人口約144万人に対し、自動車保有台数は112万台となっており、自家用車の保有率が高い傾向にあることが分かります。観光客が利用するレンタカーやタクシー、通勤通学で使用する自家用車によって、道路の渋滞が引き起こされているのです。

バスやモノレール交通機関の利用も少ない

「観光統計実態調査」によると、平成27年度に観光客が沖縄県滞在中に利用した交通手段(複数選択あり)で一番多かったのがレンタカーで、約60%を占めています。次に多いのがタクシーで、約40%。続いてモノレール、観光バス、路線バスと続いています。観光客は、レンタカーやタクシーを使って移動することがほとんどなのです。

では、沖縄県に住む人々はどうなのかというと、平成21年度バスを利用した人数は一日当たり約10万人でした。この数字は決して多いわけではありません。同年度の調査では、バスやモノレールを利用したのは全体のたった3.2%。90.4%の人々が自家用車を使っているという調査結果が出ています。

観光客も沖縄県に進んでいる人もこれだけ車を使っているため、各地でひどい渋滞が起きていることが分かります。
沖縄県は道路の渋滞を改善しようと、様々な取組を行っています。まずは、バスやモノレールの利用率を上げることをねらった取組です。モノレールとバス両方で使用できる共通IC乗車券「オキカ」を導入したり、バス専用レーンの拡大調整やバスターミナル地区の再開発事業を行ったりしました。モノレールは延長工事を行い、行ける地点を増やしました。そして次に、道路の整備も進めました。国道58号線、沖縄自動車道、国道329号線の行き来をしやすい環境を整えることで、経路を分散できるような取組をしています。

まとめ

沖縄県は東京都よりもひどい渋滞が起きています。その原因は、交通量の朝夕のバスレーン規制や全体的に車移動をする人が多いことにありました。沖縄県も公共交通機関の利用促進や交通渋滞軽減のために様々な取組を行っています。沖縄旅行を考えている人は、このようなひどい渋滞があるという現状を踏まえて、時間に余裕をもった行動をしたり、スケジュールを組んだりすることをおすすめします。

この記事の執筆者
岸本強資

沖縄県にある高校を卒業後、都内の大学に進学、ベンチャー企業やコンサルティングファームを経て、現在は沖縄を拠点に活動するフリーランスWebマーケター。琉球大学大学院で沖縄経済についても研究中。マーケの仕事と沖縄経済研究を専門にしています。 webマーケは全般対応可能でpythonや統計(計量経済学)を組み合わせた自動化や定量分析・運用が差別化ポイント。研究テーマは「沖縄経済」「生産性」「計量経済学」のあたり。沖縄の社会問題に関心があり、歴史や制度的な問題が複雑で実態が掴みづらい沖縄県が抱える問題をなるべく数字を出して発信しています。
               

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