沖縄は出生率が全国1位!その背景や原因を分かりやすくします!

沖縄は出生率が全国1位!その背景や原因を分かりやすくします!

沖縄 出生率

こんにちは。すでに皆様はご存知だとは思いますが、沖縄の出生率はかなり高く、毎年全国一位となっています。2020年のデータでも沖縄の合計特殊出生率は1.86人で全国堂々の第一位でした。

さて、この高い出生率という理由にはどのようなものがあるのでしょうか。今回の記事では沖縄の出生率が全国一位の原因につい徹底考察・分かりやすく解説していきます。

約35分に1人が生まれる!沖縄出生率推移はどの程度か

沖縄の出生率はとても高く、約35分に1人が生まれている計算になります。現に、2000年の出生率は1.82、2010年が1.79で、最新の2020年の出生数は1万4943人で合計特殊出生率は1.86と全国一位でした。婚姻件数も7376件と多くの方が結ばれています。人口減少が心配されている現代で、ここまで高い水準なのは驚きですよね。少子高齢化が嘆かわれる日本社会で、沖縄の出生率の高さは他の都道府県を見習うべきでしょう。

■参照元
沖縄タイムス「沖縄の出生率全国一」


沖縄タイムス「沖縄、35分16秒に1人誕生 出生率46年連続全国トップ」

高い出生率の背景には若年結婚・出産や婚外子の存在

沖縄の高い出生率の背景には若年結婚・出産や婚外子の存在があります。そもそも沖縄は若年層の結婚している人が全国よりも多いです。そのため、若年層の出産も多くなる。沖縄は年齢階級別人口の15~35歳までの割合が全国よりも多い結果となっています。そして、20~29歳の女性の有配偶率が全国よりも上回っています。若年層の女性の割合が多く、若年層で結婚している人も多いということが高い出生率に繋がっていると考えられます。現に2015年の15~49歳までの沖縄県の人口千人対する有配偶出生率は111.6と全国の78.9に大差をつけています。20代など若い時に第一子を出産し、少し年を取って30代や40代で再び妊娠する人がいるため、結果として15~49歳までの有配偶出生率が高くなる傾向があります。

また、沖縄は婚姻届けを出していない男女の間に子供が生まれる婚外子も全国と比べて多い傾向にある。特に10代、20代の婚外子出生率は全国よりも高いです。このような原因が沖縄の高い出生率の背景にあります。しかし、そんな沖縄でも出生率は少しずつですが下がってきていますし、晩婚化、少子化といった問題も出てきています。このままいけば、沖縄も他県と同様に出生率等も下がっていくと考えられます。しかも、若年結婚・出産により、教育費などの子育てにかかる費用により、貧困問題も増えてきています。いくら現在の出生率が高いとは言え、今後はこうした問題の解決にも取り組んでいかなければなりませんね。

■参照元
琉球新報「沖縄の出生率はなぜ高い? 若年層の既婚割合が押し上げ NIAC分析」

子供は宝という価値観や地域社会のサポート

沖縄の出生率が高い原因として他にも、「子供は宝」という価値観があったり、地域社会のサポートが充実していたりといった原因があります。沖縄の人たちはとにかく子供が好きです。地域のつながりも強く助け合う精神があります。親戚や子供の親同士でお互いに支えながら生活しています。子供たちの送り迎えや買い物までも別の家庭の子供を一緒に連れて行ってくれる方もいます。出産祝いなどでも多くの方が喜んでくれ、盛大に祝ってくれます。職場でも子持ちの方にはそれなりの配慮がなされ、子供が熱を出した場合などは嫌な顔せず、子供の迎えに行くことを許してくれます。むしろ「早く行ってあげなさい」といった雰囲気まであり、周りのサポートが厚い分子育てもしやすく、出生率の高さに繋がっていると考えられます。

また、「子供は宝」という価値観は昔からあるため、祖父母といった年配の方は特に子供を可愛がります。ですので、祖父母は孫が欲しくという気持ちがあり、自分の子供に出産をせかしたりすることもあるようです。そういったプレッシャーもあるので出生率が高いのです。しかし、こういった価値観は人それぞれであるため、特に沖縄に移住してきた人は戸惑ってしまう可能性があります。近所同士で助け合うのは当たり前、子供が第一、といった考え方はセカンドライフの満喫、のんびり暮らしたくて沖縄に移住者にとってはストレスになってしまします。沖縄に移住するからには地域社会との関係は切っても切り離せないものですので、こういった風習があることを念頭に置いておくべきです。

上記で挙げた事によって自身の周りの同級生や先輩、後輩なども若くして結婚・出産している人が多く、家族や親族だけではなく、学生時代の知り合いがママ友になっていく事もよく見られるため、近い年齢の方々とも悩みや情報を共有する事ができます。さらに、自分達の子供同士が仲良くなる事も多々あるため、子供の学校での生活や放課後の時間も心配になる事はありません。

ここ最近ではいじめ問題などが多く取り上げられるケースをよく見ますが、筆者が通っていた学校ではそういったいじめなどは一切ありませんでした。みんな仲が良かったイメージがあります。そういった事もあり、今でも同級生の親御さんが自分の顔と名前を憶えていてくれたりしています

東京を除いて唯一の人口増加県!子育てしやすい環境もメリット

沖縄は東京を除いて唯一人口が増加している県です。この背景には上記でも述べたように出生率の高さや地域社会のサポートが充実しており、子育てしやすい環境があるからです。そして、移住者の増加などにもより、人口は増加しています。ただ、増加傾向にあるもののだんだん増加ペースは緩やかになってきています。今後、人口が減少していく前に早めの対策をしていかなければなりません。

まとめ

今回の記事では沖縄の出生率が高い原因について紹介しました。意外と思われた方も多いと思いますが、沖縄の出生率は何十年もの間全国一位を記録し続けています。その背景には若年結婚・出産や婚外子の存在だったり、「子供は宝」という価値観だったりが出生率の高さに繋げっていると考えられます。一見、若い時に結婚する事で将来の不安が出てきたりすることも考えられますが、家族、親族、友人などサポート、地域社会のサポートが子育てしやすい環境をつくっている要因でもあります。こういった地域のつながりや子育てがしやすい雰囲気は全国にも広まってほしいですね。

この記事の執筆者
岸本強資

沖縄県にある高校を卒業後、都内の大学に進学、ベンチャー企業やコンサルティングファームを経て、現在は沖縄を拠点に活動するフリーランスWebマーケター。琉球大学大学院で沖縄経済についても研究中。マーケの仕事と沖縄経済研究を専門にしています。 webマーケは全般対応可能でpythonや統計(計量経済学)を組み合わせた自動化や定量分析・運用が差別化ポイント。研究テーマは「沖縄経済」「生産性」「計量経済学」のあたり。沖縄の社会問題に関心があり、歴史や制度的な問題が複雑で実態が掴みづらい沖縄県が抱える問題をなるべく数字を出して発信しています。


花城春貴

沖縄県にある高校を卒業し、九州地方の医療の大学に進学しますが、4学年初期でメンタルブレイクし途中退学。その後は関西圏で車の製造の仕事を経て、現在は沖縄県でIT企業に勤めながら、個人で「マンゴーフルーツの生産・販売」や「外国為替事業」に携わっています。さらに、「アプリ・HPの作成」、「webマーケ」について実践を重ねながら勉強中です。自身の異なる業種の経験から、沖縄県が抱える問題・盛んな業界の両方について、様々な目線で分析し発信しています。
               

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