沖縄にauはない?県内シェアNo.1「沖縄セルラー電話株式会社」の紹介!

沖縄にauはない?県内シェアNo.1「沖縄セルラー電話株式会社」の紹介!

琉球キャピタル

「一家に一台、固定電話があるから、携帯電話なんて使わないよ」携帯電話が販売された当初はそんな事を言われていたそうです。そんな中、2000年代に入って一気に普及してきた携帯電話。現在では、電話だけでなく、様々な方面とグロスしたスマートフォンが世界を席巻していまおり、今や1人1台所持している世の中となりました。

日本では、現在「au」「softbank」「docomo」の3大キャリアを中心に、複数の格安SIMが登場しています。そんな中、沖縄では「au」の回線を利用する方が大多数存在しています。なぜ沖縄ではこんなにも、「au」の回線を利用する人が多いのでしょうか?本記事では、その理由を沖縄独自の企業の話を用いて紹介していきたいと思います。

沖縄県のau回線利用率はどのくらい?

沖縄県の現在の「携帯電話保有率」は2017年時点で49.0%の全国37位を記録しており、「スマートフォン保有率」は同じく2017年時点で71.5%の全国22位を記録しています。全国的に見ると上位ではないですが、人口が増え続けている沖縄県のほぼ半数以上が所持していることになります。

また、契約数シェアのデータを見ると、日本全体では、「NTTドコモ」が36.9%と一番多いのですが、沖縄県は「au」の所有率が50.4%と圧倒的な数字を残しています。人口が増え続けるという事は家族割など携帯会社が提供しているサービスなども利用出来るため、沖縄県では「au」の利用は増えていく事が予想されます。

なぜ、沖縄県では、ここまでauの規模が大きいのでしょうか?続いては、こちらについてお話していきたいと思います。

参照元
都道府県データランキング 「通信機器保有率」

総務省 「情報通信機器の保有状況」

iPhone Mania 「総務省、2020年9月末の携帯契約数やシェアを公表〜3大キャリアのシェアが86%」

:なぜ沖縄はau回線が多いの?

そもそも「au」というのは、KDDI株式会社(携帯電話事業を手がける日本の通信事業会社)のブランドの事を指します。参考例として挙げると、イオングループで販売されている「TOPVALUE」商品のようなイメージです!KDDI株式会社の中の「au」という商品とイメージしてもらうと良いと思います!

KDDI株式会社は平成12年(2000年)に「株式会社ディーディアイ」として発足され、同年にセルラーグループ7社が合併します。
その際に、株式会社エーユーという企業が発足され、現在に至ります。

セルラーグループが合併した際,全国の各セルラーの店舗(関西セルラーや東北セルラーなど)は統一されましたが、沖縄セルラーだけは地元に特化した経営を行っていた事やセルラーグループの中で唯一、自社の株式を流通させ、株価を上げていた事で単独で残る事になりました。

また、「沖縄セルラー」という沖縄独自の会社があった事で、ドコモやソフトバンクよりも早く沖縄だけの設備投資ができ、auキャリアが県内で圧倒的な力を持ったと言われています。

参照元
KDDI株式会社 「沿革」

フレッツ光 「特殊すぎる沖縄の携帯電話事情」

Amebaブログ 「KDDIと沖縄セルラー電話って違うの?」

「沖縄セルラー電話株式会社」とはどんな会社?

セルラーグループの中で唯一、単独で活動する事が認められた企業である「沖縄セルラー株式会社」とはどのような会社なのか?この節でお話をさせて頂きます。

前節で沖縄セルラーは、①地元に特化した経営を行っていた②セルラーグループの中で唯一、自社の株式を流通させ、株価を上げていたとお伝えしましたが、具体的にどのような事をしているのでしょうか?

沖縄セルラーはKDDIが提供しているサービスの他に、沖縄セルラー独自で提供しているサービス(キャンペーンの適用や機種変更料金など)があるとの事です。そういった部分で「地元に特化した経営を行っている」と言えるでしょう。

また、KDDIと「沖縄銀行」、「沖縄電力」、「オリオンビール」など県内の優良企業数十社の協力で自社株を流通させ、株価を上げています。実際に、「沖縄セルラー」の株は投資家から優良銘柄と言われており、株価をどんどん上げています。

そんな人気な沖縄セルラーは1997年にJASDAQ(東京証券取引所が運営する株式市場の1つ)に上場し、最も位が高い東証1部への上場の基準も早々に満たした程の企業ですが、実際に東証1部への上場は行っておりません。

その理由として、「地元への対応を最優先にするため」と沖縄セルラーは明言しております。「凄い」を通り越して、「カッコよすぎる」の一言だと筆者は感じています!(笑)実際に、沖縄という地域のためだけの基地局を設置し、「沖縄セルラー(au)は繋がりやすい」という評価を得られたとの事です。

自社株を発行し、株価をどんどん上げる程大きな企業ですが、沖縄のために事業を行っているのが沖縄セルラー株式会社です。

参照元
東洋経済 「携帯キャリアのシェア競争「沖縄が無縁」な理由」

株探 「沖縄セルラー電話(9436)大株主・大量保有報告書」

シンプレクスのETF 「JASDAQ(ジャスダック)とは」

沖縄の経済にどのような影響を与えているの?

ここからは沖縄セルラーが沖縄県に与える影響についてお話させていただきます。ここ近年で人気が出てきた、格安SIMの「UQモバイル」はKDDIおよび沖縄セルラーの子会社になります。その中でも、「UQモバイル沖縄」は2014年に沖縄セルラーの子会社として設立されています。全国的に収入が低いと言われている沖縄県にとって、月々の固定費を抑えながら良質なauの電波を利用できる事は非常に良いと思います。また、月々の固定費を押さえる事によって別の何かに消費される可能性が高くなるため、沖縄県の経済に少なからず影響を与えられると筆者は考えています。

さらに、沖縄電力と協力して沖縄セルラーが独自で提供している「auでんき」などは、地元の企業同士の提携という事もあり、沖縄県の経済に影響を与えていると言えると思います。また、沖縄本島だけではなく離島エリアにも目を向けると、他キャリアでは電波が弱い所でも沖縄セルラーが構築したネットワークのおかげでauの電波はかなり強いと言われています。このように、「沖縄セルラー」は本島だけではなく、離島を含んだ沖縄全域の生活を支えている事がわかります。

参照元
沖縄セルラー 「auでんき」

フレッツ光 「特殊すぎる沖縄の携帯事情」

まとめ

いかがだったでしょうか?
沖縄には離島など陸続きではない地方も多く、物理的な意味で難しい部分がありますが、そういった課題を解決し、沖縄全体の生活に大きな影響を与えている沖縄セルラー。沖縄県の会社ながら、独自で株式の発行を行い、株価を挙げている事からも沖縄経済を盛り上げている事がわかります。

沖縄セルラーについて知る事で、沖縄県の経済に与える影響だけではなく、これから進化していく通信業界の未来について考える事が出来ます。また、通信業界が進化していく上で、沖縄県のこれからについて様々な考察ができると筆者は感じています。ぜひ、この機会に沖縄本島だけではなく離島を含めた沖縄県全体の未来について、調べてみてはいかがでしょうか?

この記事の執筆者
花城春貴

沖縄県にある高校を卒業し九州地方の医療の大学に進学後、4年初期で途中退学。
その後は関西で自動車製造に従事後、現在は沖縄県でIT企業に勤務しながら個人で「マンゴー生産・販売」や「金融事業」に携わる。
さらに、「アプリ・HPの作成」、「webマーケ」について実践を重ねながら勉強中。
自身の異なる業種の経験から、沖縄県が抱える問題・盛んな業界の両方について、様々な目線で分析し発信しています。
               

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