沖縄は飲酒運転が多い?ワースト1位の理由について調査

沖縄は飲酒運転が多い?ワースト1位の理由について調査

2000年代に入って厳罰化された飲酒運転。
全国的に飲酒運転の数は減少傾向にある中、沖縄の飲酒運転の数は全国平均を大きく上回り続けています。
絶対にやってはいけない飲酒運転ですが、今回は「なぜ沖縄県ではこれほどまでに飲酒運転が起こるのか」をテーマにデータを用いて紹介していきたいと思います。

沖縄の飲酒運転事故率はワースト1位 全国平均との比較!

飲酒運転といっても「事故率」「事故件数」「飲酒運転検挙数」などがあり、一概にはまとめる事ができません。その為、今回は各データに基づいて、沖縄県の飲酒運転の多さや原因について紹介していきたいと思います。

1.飲酒運転検挙数

まず初めに飲酒運転検挙数です。
こちらは「死亡事故件数」「事故件数」なども全て含めて,飲酒運転で検挙された全ての数を表示しています。
実際に沖縄県では平成30年だけで2000件を超える飲酒運転が検挙されており、この数は全国ワースト1の記録になります。
全国的に見ても検挙数が1000件を超えているのは沖縄県と茨城県しかないため、その数の多さは圧倒的になります。

■参照元
『沖縄県における飲酒運転根絶対策について』

2.1000人当たりの飲酒運転検挙数

次に人口1000人当たりの飲酒運転検挙数です。
こちらの数でも、沖縄県は「1.532」件とワースト1を記録していました。
検挙数が沖縄に続き多かった茨城県が「0.525」件であるため、3倍近い数字になります。
この事から、人口当たりの飲酒運転の確率が非常高い事が多いという事がわかります。

■参照元
『飲酒運転が多い都道府県ランキング【47都道府県・完全版】』

3.飲酒運転事故率・事故件数

続いて飲酒運転による事故率・事故件数です。
飲酒運転による事故率は「交通事故全体のうち、飲酒運転が理由で起こった事故の割合」を意味しています。
これは2019年のデータにはなりますが、原付以上での飲酒運転の事故件数のデータによると、飲酒運転の事故件数は全国トップ5に入っておりません。しかし、飲酒運転の事故率を見てみると、沖縄県は「2.26%」を記録しており、2位の福井県よりも0.3%多く、ワースト1になっています。
事故件数は多くないにも関わらず、事故率が多いのはなぜでしょうか??
次の見出しで県民性の話を用いながら解説していきたいと思います。

なぜ飲酒運転事故率がワースト1位

先ほどの話で「事故件数は多くないのにも関わらず、事故率が異常に高い」というお話をしました。
これに関して以下の3つの事が考えられます。

1.沖縄県自体がお酒を飲む人が多い県

沖縄県民あるあるで、「沖縄県出身だからお酒強いんじゃないの??」と言われる事が誰しも一回ぐらいはあると思います。
実際に著者の周りにもお酒が強い人はかなりの数いるため、よく飲み会などを開いてみんなでワイワイする事が多い印象があります。
また、仕事終わりに自宅に帰って、一人で晩酌する方が多いため、沖縄県内にはお酒を飲む機会がかなり多いです。
前日にお酒を飲み、翌朝お酒が残っている状態で車を運転している事が、沖縄県での飲酒運転が高い理由の一つとして考えられます。

2.車社会である

沖縄県には、電車の文化が無く、あると言っても那覇市・浦添市など県庁所在地や県庁所在地近辺の市でモノレールしか動いておりません。そのため、必然的に移動には車が必要になってきます。
この事からモノレールが通っていない地域では車で飲み会に参加することが当たり前になり、飲み会終了後に車で運転して帰る事も沖縄県で飲酒運転が多い理由として考えられます。

3.摂取するお酒の度数が高い

沖縄県のお酒と聞いて思い浮かぶのはやはり「泡盛」だと思います。
泡盛と聞くとアルコール度数の高いイメージがあると思いますが、他のお酒と比べても泡盛のアルコール度数はかなり高い傾向があります。
ビールはアルコール度数5度で、日本酒は15度ですが、泡盛の場合は、25~30度のアルコールが含まれています。
公益社団法人アルコール健康医学会によると、アルコール摂取量の基準はビールで500ml(中びん1本)、日本酒で180ml(1合)と記載があり、泡盛の場合は100ml(コップ半分)の量であるため、他のお酒と比べてもかなりアルコール度数が高いお酒になります。
お酒に強い⇒アルコール度数の高いお酒を沢山飲めるとなると、自分自身が酔っ払っていることを軽く感じてしまい、車に乗ってしまうことも多々発生してしまうでしょう。

4.運転代行業者

沖縄県の運転代行業者の数は715社(2020年12月沖縄県警察本部発表)あり、全国トップの数になります。
全国トップの業者数があるのにも関わらずなぜ飲酒運転が起こるのか??
その理由の一つとして、ピークタイムの際、お客さんの人数に運転代行業者数が追い付かない事が挙げられます。沖縄県民は夜遅くまで飲んでしまう人が多いため、ピークタイムにはなかなか代行業者を捕まえられないことがあり、必要としている時に運転代行を利用出来ないケースも少なくありません。
実際に著者も遅くまで飲んでしまった事があり、その際にも代行業者に電話が繋がらず、仕方なくタクシーで帰った記憶があります。
しかし、飲み会の度にタクシーを利用してしまうと交通費の金額が高くなり、翌日車を取りに行く手間がかかる事は飲酒運転が起こってしまう大きな原因ではないでしょうか。
また、全国トップの運転代行業者数と言っても、都市部だけでなく郊外エリアでの代行業者の数は少ない事も多く、那覇市などを除く郊外の人は運転代行を中々使用できないため、飲酒運転の数は減らない傾向があることが考えられます。

飲酒運転による罰則は??

前節では飲酒運転が起こってしまう理由を記載しましたが、ここからは実際に飲酒運転を行ってしまった際の罰則についてお話していきます。
飲酒運転はアルコールの摂取量で罰則が変わってきます。

基本的には以下の2つ階級で分けられます。

1.酒気帯び運転

酒気帯び運転は飲酒運転の中では軽い方の罰則になります。
判断としては「呼気1リットル中のアルコール量」の測定になるため、基準値が設けられています。


 1)(呼気1リットル中アルコール0.15mg以上0.25mg未満)の場合
  ・点数:13点
  ・処分内容:免許の停止(90日)

 2)(呼気1リットル中アルコール0.25mg以上)の場合
  ・点数:25点
  ・処分内容:免許の取り消し(2年)

2.酒酔い運転

飲酒運転の中では最も重い罰則になります。
判断としては、血中アルコール濃度での判断ではなく、まっすぐ歩けるかどうかや視覚や聴覚が正常に機能しているかといった検査も行われることになります。

  ・点数:35点
  ・処分内容:免許の取り消し(3年)

このように、酒酔い運転と酒気帯び運転共に減点される点数が非常に高く、共に免許が使えなくなるため、かなり厳しい罰則になります。
飲酒運転の判断の最低基準の「呼気1リットル中アルコール0.15mg以上0.25mg未満」は実際のお酒の量としてはどのくらいになるのでしょうか??

   ・ビール中びん1本
   ・日本酒1合
   ・焼酎0.6合
   ・泡盛コップ半分

これぐらいの量を飲むと呼気1リットル当たりのアルコール量が0.1~0.2mgに相当するため、この量以上に飲んでしまうと確実にアウトになります。
「たったこれだけで!?」と思う人も多いようですが、それほど飲酒運転は危険だという事でもあります。
下記の表にわかりやすくまとめました。

表1.飲酒運転による処分内容とお酒の量

飲酒運転の種類
点数
処分内容
お酒の量
酒気帯び運転
(呼気1リットル中アルコール0.15mg以上0.25mg未満)
13点
免許の停止
(90日)
ビール中びん:1本
日本酒:1合
焼酎:0.6合
泡盛:コップ半分
酒気帯び運転
(呼気1リットル中アルコール0.25mg以上)
25点
免許の取り消し
(2年)
上記以上
酒酔い運転
35点
免許取り消し
(3年)
上記以上

■参照元
『飲酒運転の罰則等』

飲酒運転をしないために

飲酒運転は罰則が強化されて、減少傾向にありますが、過去には沢山の罪のない方々が亡くなる悲惨な事件も起きています。
もしも、そのような事が起こってしまうと、被害者親族に謝っても許される事のない罪を背負う事になり、犯罪者として生きていかなければなりません。
また、飲酒運転の罰則により罰金や免許剥奪など自分自身だけでなく、自分の親族、友人、職場、沢山の方々に対して多大な迷惑をかけてしまう事を肝に銘じて生きていく必要があります。

今後、飲酒運転を無くしていく為には、


1.運転代行の強化
2.親族との連携
3.飲み会での周りとの連携

この3つが大切になってくると考えます。
飲酒運転が起こってしまう理由に「ピークタイムに運転代行業者と繋がらない」という話を記載させていただきました。
その事から、遅くまで飲まず、ピークタイムではない時間帯に代行業者を利用する事で飲酒運転を防ぐ事ができると考えられます。

さらに家族との連携を取る事で家族側は帰る時間や交通手段を把握でき、自分自身は決めたルールに従い帰る事ができるため、飲酒運転を防ぐ事がことが可能です。

そして、飲み会に参加している人同士で帰る手段を把握する事で、友だち、職場の仲間、どのメンバーとも安心して飲むことができ、飲酒運転防止の為の確認ができる事から、飲酒運転を防ぐ事にも繋がります。

まとめ

いかがだったでしょうか??
飲酒運転はいけない事がわかっていても、未だにやってしまう人がいるのが現実です。
「少しだから大丈夫」という気持ちではなく、「少しでもアウト」という気持ちで運転を控えている際は、お酒に向き合う必要があります。
お酒の場は楽しむ場であるとは思いますが、一時の気の迷いで大切な人生を失わないように、みんなで協力して飲酒運転を防いでいく必要があるのではないでしょうか。



この記事の執筆者

花城春貴

沖縄県にある高校を卒業し、九州地方の医療の大学に進学しますが、4学年初期でメンタルが崩壊して途中退学。
その後は関西圏で車の製造の仕事を経て、現在は沖縄県でIT企業に勤めながら、個人で
「マンゴーフルーツの生産・販売」や「金融事業」に携わっています。
さらに、「アプリ・HPの作成」、「webマーケ」について実践を重ねながら勉強中です。
自身の異なる業種の経験から、沖縄県が抱える問題・盛んな業界の両方について、様々な目線で
分析し発信しています。

               

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