ひとり親家庭を支援!沖縄県が行うシングルマザー向け支援取り組みのご紹介!

ひとり親家庭を支援!沖縄県が行うシングルマザー向け支援取り組みのご紹介!

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綺麗な景色や独特な文化など沖縄県には、たくさんの魅力があります。しかし、その一方で島国特有の問題点や長年解決できない問題など、県全体の課題も多く残っている事も現状です。

今回はその中でも、「ひとり親」をテーマに現状や問題点、県が取り組んでいる対策などについてお話していきます。

沖縄県は出生率・離婚率が高い?その理由は?

冒頭でも触れましたが、沖縄県は全国トップの出生率を誇り、2020年度の出生数は1万4943人の新生児が誕生しています。各都道府県の人口の問題もあるため、出生数には限りがありますが、都道府県別の人口のランキングでは、20位代なのに対し、出生数は10位代とかなり上の順位であるため、その事からも沖縄県の出生率の高さは全国トップである事がわかります。また、ここ数十年の間、変わらず出生率が全国トップであるため、沖縄県は子供を育てやすい場所である事も同時に想像できますよね。

出生率

少子化が進む日本の中でも、沖縄県は「出生率」が47年連続で全国一を記録しています。沖縄では「子どもは宝」という考えがあり、親族や友人だけではなく、近所の方も一緒になって子育てを行う事があります。そういった理由から、子育ての環境がしやすく出生率が高くなっていると考えられるでしょう。

②離婚率

高い出生率を誇る一方、一方で出産後の離婚についても問題となっています。人口1000人当たりの離婚率のデータでは、沖縄県が「2.52」で全国ワースト1位を記録しており、離婚率が一番低い新潟県と比べると、約2倍の方々が離婚されていることが現状です。

離婚率が高い理由の一つとして、県民の平均年収が全国的にも非常に低いことが考えられます。子育てをするためには、どうしてもお金は必要となるため、そういった部分で離婚が多くなっていることは想像に難くないでしょう。

上記のように「出生率」「離婚率」が高いことにより、沖縄県では「ひとり親家庭」が非常に多いことが問題視されています。

■参照元
Re:okinawa 幻冬舎 GOLD ONLINE 「都道府県別「離婚率」ランキング」

【最新版調査】沖縄の離婚率は全国1位?沖縄県の離婚率が高い理由を解説

離婚後にもさらなる苦労が…?

離婚した後もさらなる苦労があります。それは、「養育費」です。中には「沖縄の男性は離婚しても養育費を払わない」というお話も出ている程です。

筆者が実際に前の職場のシングルマザーの方にお話を聞いたところ、「前の旦那から一切、養育費は貰っていない」というお話を聞いた事があります。沖縄県が公表した2018年度「ひとり親世帯等実態調査」のデータによると、離婚した後から「養育費を全く受け取っていない」と回答した母子世帯が約7割いる事が分かりました。このデータからも離婚後に養育費や慰謝料など金銭面的な苦労があることが考えられます。

また、養育費の受け取りをしていない理由として「離婚当初から養育費の取り決めをしていない」方が6割もいることが分かりました。さらには、養育費についての取り決めをしていた場合にも、「相手に支払う能力がない」といった理由も挙げられています。

■参照元
琉球新報 「なくそう養育費の不払い…沖縄で11人が弁護団 来月から無料電話相談」
琉球新報 「<社説>養育費不払い問題 自治体の支援が不可欠だ」

シングルマザーが多い理由には、沖縄県が抱える問題も…

前節までに沖縄県にはシングルマザーが多いという事をお話しました。沖縄県の離婚率の高さからも、夫婦間で何かしらの問題があって離婚した可能性が考えられます。

1)収入の低さ

離婚率の高さの理由として挙げられるのが、「沖縄県の収入の低さ」です。沖縄県の平均年収は約300万円となっており、47都道府県の中でも低い数字となっています。

しかし、この数字は正規雇用の場合の数字であり、非正規雇用の場合には、さらに低い数字となります。結婚後は子育てのことも考えなければならないため、収入は非常に重要となります。沖縄県では収入の低さにより、夫婦間に問題が発生してしまうことが多く、最悪の場合には離婚というケースに繋がってしまっている事が現状です。

2)中卒・進路未決定者の数

2014年のデータになりますが、卒業者全体に占める「中卒・進路未決定者」の割合は3.2%と全国の4倍もの数字を記録しており、過去10年を遡っても非常に高い割合が続いています。沖縄県では、進学ができずに出産している方が多いのですが、その反面、学歴が低い事による正規雇用が少ない事や収入の低さが県全体の問題として挙げられています。

3)有効求人倍率の低さ

有効求人倍率は、求職者1人に対して、何件の求人があるかどうかを知る事ができるため、「現在の仕事が探しやすい・探しにくい」ということを把握することが可能です。基準値は1倍で、1を上回れば「仕事が探しやすい」と判断できます。

しかし、沖縄県は全国的に見ても有効求人倍率が低いことがデータとして公表されています。理由は様々ですが、沖縄県の主要産業が「観光業」であり、「生産業」が少ないことが理由の1つとして考えられています。1つの工場で沢山の人員を募集することができる「製造業」が盛んな地域では、有効求人倍率が比較的高い傾向にあるというデータもありますが、沖縄県で工場勤務のお仕事はかなり少なく、求人倍率に影響を与えていると考えられております。

沖縄県に「生産業」が少ない理由については、こちらの「【2022年最新版】沖縄の有効求人倍率は全国最下位?データを元にその理由を分かりやすく解説します!」に記載しておりますので是非、確認してみて下さい!

このように、沖縄県は産業構造や土地的な部分でも他県と異なることが多いため、仕事・生活の中の問題がそのまま離婚率やシングルマザーの多さに関係していることが分かります。

■参照元
Re:okinawa 「沖縄は日本1シングルマザーが多い?その理由は?データや独自の文化  風習から解説」

Re:okinawa  「【2022年最新版】沖縄の有効求人倍率は全国最下位?データを元にその理由を分かりやすく解説します!」

Re:okinawa 「【2022年最新版】沖縄は最低賃金が日本一低い?その理由を徹底考察!」

沖縄県や団体の対策は?

前節で、県が抱える問題が県民の生活に多大な影響を与えていることを説明しました。沖縄県や県内の団体では、このような問題の解決のために、様々な対策を行っています。

1)沖縄県

①就業支援

就業支援では、求人情報の紹介や就労に関するお悩みを相談できる「無料相談窓口」や自立・就労に向けての「無料講習会」を行い、資格や技能取得のサポートを行っています。

②子育てと生活支援

生活や養育等に関して、専門の相談員や弁護士に無料で相談することができます。また、お住まいの市町村で事前の登録を行っていた場合、家事・子育てが困難になった際にヘルパーの派遣を行って貰うことが可能です。

③経済的支援

「児童扶養手当」や「ひとり親家庭の親や児童に対する医療費の助成」など生活する上での経済的支援を行っています。

④養育費の確保

養育費の確保について、専門の相談員や弁護士による相談が可能です。

詳しい内容に関しては、参照元に記載されている「ひとり親家庭を応援しています!」を参考にしてみて下さい!

2)公益財団法人オリオンビール奨学財団

①精神的基盤の支援

孤立感を解消するために、シングルマザー同士での助け合いを促進するネットワークを構築

②就労態度の変革

研修を行い、職業人としての基本的なスキルの習得を支援

③企業との連携

企業側と連携し、就労上の課題の解決することでスムーズな就職、就職後の定着をサポートする

詳しい内容は参照元の「沖縄シングルマザーの活躍推進基盤構築事業」を確認してみて下さい!

3)しんぐるまざあず・ふぉーらむ沖縄

月に2回シングルマザー同士での情報提供、交流の場を設けています。交流中には、プロの保育士の方がお子さんをお預かりしているので、安心して有意義な時間を過ごせるはずです。また、行政への働きかけを行うことにより、シングルマザーの方々に向けた講座なども行っています。

参照元の「しんぐるまざあず・ふぉーらむ沖縄」のURLやFacebookから詳細を確認することができるので、興味のある方はぜひ覗いてみてくださいね。

上記は県内に沢山ある団体の一例ですが、行政や各団体がシングルマザーの方々の生活や就労、子育てなどのサポートのために様々な対策を行っていることがわかりますね。

■参照元

沖縄県 「ひとり親家庭を応援しています!」

公益財団法人オリオンビール奨学財団 「沖縄シングルマザーの活躍推進基盤構築事業」

しんぐるまざあず・ふぉーらむ沖縄

まとめ

いかがだったでしょうか?離婚率やひとり親世帯の多さの背景には、沖縄県が抱える様々な問題が積み重なっていることが事実です。
しかし、その問題に対して、行政や様々な団体が力を合わせて解決しようと頑張っています。このような取り組みに参加することで、自分自身のスキルや自己肯定感を上げることができ、今後の子育てや生活に良い影響を与えることができると筆者は信じています。

子育てや生活を安定させるためには、相当な苦労があると思います。しかし、焦らず一歩ずつ進んでいけば、可能性は今より確実に大きくなります。筆者も過去にうつになるくらいの精神的なダメージを受けました。そこから徐々に、自分自身を成長させるために現在も日々勉強しています。読者の方と比べると失礼かもしれませんが、お互いに少しでもよい未来を作っていくために一緒に頑張っていけると筆者も嬉しいです!

この記事の執筆者
花城春貴

沖縄県にある高校を卒業し九州地方の医療の大学に進学後、4年初期で途中退学。
その後は関西で自動車製造に従事後、現在は沖縄県でIT企業に勤務しながら個人で「マンゴー生産・販売」や「金融事業」に携わる。
さらに、「アプリ・HPの作成」、「webマーケ」について実践を重ねながら勉強中。
自身の異なる業種の経験から、沖縄県が抱える問題・盛んな業界の両方について、様々な目線で分析し発信しています。
               

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